A Day in the Life

とても寒い砂漠の夜、ジャイサルメールのキャメルサファリ・2日目 / 世界一周93日目

昨晩寝床に入り、寝ようとするが寒さで目が覚める。温度は6度ほどで、それなりの厚着でブランケットを二枚かぶるとなんとか寝れるぐらいだと思っていたが、夜がふけると風音がしっかりと聞こえる強い風が吹き出したのだ。この辺にいくつも風力発電所があるのは、そう、風がとても強いからなのだ。風はブランケットの隙間(古いブランケットで一部穴が開いていたりする)はもとより、顔にあたって非常に寒い。凍てつく寒さ。砂塵対策に持ってきたマスクをかけ、パーカーの帽子を被りその上にさらにサファリハットをかぶるが、まだ目元など肌が外気に触れる場所が非常に寒く、これも一生で一番寒い夜だなぁと思いながらちょっと寝て寒さで起きて、を繰り返す。

満点の星空はいつのまにか霧によって全く見えなくなり、空は真っ暗。そんな中寒いからか、トイレに行きたくなり、3回ほど誰もいない砂漠へ。周りに何もない砂漠に一人でいると、非常に不安になる。寝床はすぐに見えなくなるが、ラクダの動きが耳に聞こえ、寝床がそこにあることを教えてくれる。また寝床で寝に入ると、今度は重い。何かと思ったら野犬が胸の上に乗っており驚いて起きる。野犬に噛まれたばかりなので大変怖い。後から聞いたところによると、人間が残したゴミなどを漁りに砂漠までやってくるらしい、恐るべし野犬。

そんな感じであまり寝れない夜をすごし、朝はやってきたが霧で太陽は見えず、まだ風が吹いているため非常に寒い。鼻水が滴り落ちる寒さなので、鼻にティッシュを詰めさらにマスクをする。そんな寒い中ラクダに乗り今日もスタート。ラクダが寒さで震えるらしく、乗っている最中に震えられると油断すると落ちるぐらい揺れるので、しっかりと手綱を握る。中継地点の村ではインド人夫婦と別れ(普通は一泊二日)、別の高齢のガイドとラクダに乗り草原を歩く。

お昼過ぎに草原で昼食を作る。といってもかまどを作る(風が当たらない場所に、大きな石を三つ集めれば、鍋が置けるかまどの出来上がり)ところから行い、枯れ枝を集め、砂で食器を洗い、点在する最寄りの井戸から水を汲んで作るので、出来上がるまで二時間ぐらいかかるのだ。

この頃には日が差すようになり暖かくなる。ゆっくりとした時間が過ぎる中、いろいろなものを見かける。その辺を歩くと、結構動物の骨が落ちている。あっという間に風化するためか、頭蓋骨がしっかりと形が残った牛や羊の骨もよく見かけた。乗ってきたラクダは足かせに前足をロープをつなぎ、大股では歩けないようにした後は完全に放し飼いで、わりと遠くの方まで餌を食べに歩いていく。尖った針葉樹のような葉ももしゃもしゃ食べる。

放し飼いのヤギのような羊もその辺の草を食べ、ウールたっぷりの日本人が想像する羊といったザ・羊の群れも広い草原ではそこらかしこにいる。羊飼いが近づいてきて、ガイドと世間話をする。するとカメラで「俺のことを撮れ」、というの仕草をするので撮影して写真を見せると大満足の表情だ。

夕方まで昼寝をしたり本を読んだりしながら贅沢に時間を使った後、またラクダに乗り砂漠へと繰り出す。途中の草原で赤いイナゴの大群に遭遇し数十万以上は居るであろうイナゴの中を突っ切る。空を覆い尽くすイナゴの大群。作物を食い尽くす自然災害として恐れられていた、と知識では知っていたけど、まさか遭遇することになろうとは、イナゴばかりの凄まじい景色の中を進む。なおガイド曰く「人を噛んだりしないから大丈夫だよ」とのことだったが、虫が苦手な妻は死ぬほど怖がっていた。

夜はまた眠れぬ夜を過ごすのでは、と不安だったのだが、長年ガイドをやってい彼曰く「ゴージャスなところだから大丈夫だよ、寒くないよ」と。実際着くと、砂漠の真ん中に枯れ木で作られた「家」があった。全面枯れ木の壁で覆われ、天井もビニールと枯れ木で覆われ、入口も獣が入ってこれないように簡易扉を付けられるようになっている。冗談で「ここは一泊1000rsの豪華ホテルだよ!」と言っていたが、昨晩と比べると各段に暖かそうだ。

キャンプファイアをしながら晩ご飯を食べ、砂漠の満点の星空を楽しむのはほどほどに、2019年最後の日は21時前には就寝するのであった。