IMA のスティーブン・ショア特集 / 2021年1月22日
今日は暖か天気だったけど、横浜ではこの冬では一番空が濁っていて、外は煙たいような工業的な匂いまでしていた。
先日、ニューカラーのことを書いたら、K氏から IMA Vol.32 でスティーブン・ショア特集やってたよ、ということを教えてもらい早速購入する。
紙面では、数十ページにわたりピックアップされた、スティーブン・ショアの作品アーカイブがあり、それも良かったのだけど、本人によるコラム(以前どこかに書いたものの邦訳)や、『10組の写真家からショアへの10の質問』でスティーブン・ショアの考え方・作品作りについて知ることが出来たのがとても良かった。
彼は自身を「分析的な傾向の強い写真家」と称し、初期は物理的な理解、レンズを買うと徹底的に使い込み特性を理解し、またフィルム現像でも様々方法を学習・習得したという。次の段階では、自分の視覚・フレーミングの関係性をどう掴むか、初期の代表作American Surfaces では35mm判を中心としたスナップショット的なアプローチを、そして次のこれまた代表作の Uncommon Places では 8x10 の大判カメラ(巨大!)で慎重に構図を決め写真を撮って、するとさらなる問が湧き出てくる。また同時に、基本シャッターは1度しか切らない、つまりどんな場所でもその一枚を撮ることに徹底的に集中して考え撮影する。これらを繰り返すことで、自分が何を求めているか、どんどん撮るスピードは上がっていき、どの構図でカメラをどこに置いて撮ればよいか、すぐに分かるようになったという。そして3つ目の段階では、自分だ撮ろうとしている写真を脳でイメージしてそれを微調整して、迷うことなく正しい判断ができ、カメラを持ってどこに立つか、を考えることが無くなったという。
30代で二つ目の境地に達し、40代で3つ目の段階に達し、そして今もInstagramでiPhoneを使って今にあった写真撮影(iPhone以外でもハッセルブラッドの中判デジタルカメラでも撮影し、たとえば120cm x 160cm の巨大な写真前提の作品作りなどを行った)をして変化し続けている、ということでほー凄い…という感嘆。
読めてよかったこの特集。スティーブン・ショアの写真集American SurfacesとUncommon Placesも必見だなぁ、とamazon.comで注文する。
夕方散歩。ベイクォーターではランタンが飾り付けられていた。