S21(トゥールスレン)・キリングフィールド / 世界一周33日目
カンボジアは他の海に面しているインドシナ半島諸国、マレーシア、タイ、ベトナムよりも経済発展が遅れていて、大きな理由が1970年台のベトナム戦争のトバッチリからの、ポル・ポト政権の粛清と、原始共産主義による原始的な農耕へ逆戻り、そして失敗による大幅な国力低下があげられる。
とさらっと書くと、へぇ、という感じなのだが、このポル・ポト政権前後に亡くなった方の数が200万人、当時のカンボジアの人口が800万と言われるから、国の人口の25%も亡くなるという大虐殺が行われた。
今日行ったS21は強制収容所後(当初は高校)で、ここで拷問、自白、殺害が行われたが、このような場所が山ほどあり、知識人(医者や教師といった人はもちろん、眼鏡をかけている、文字が読める、も知識人)とその家族は基本殺害されたとのこと。続いて行った、通称キリング・フィールドは、対象者が増え強制収容所では殺害しきれなかったため、郊外に場所を作って死刑執行を執り行われた場所で、この場所だけで2万人が殺害されたという。死刑方法も銃弾は高コストのため、ナタの様な刃物、鈍器、鋭い木の幹、赤ん坊は木に頭を打ち付けるなど、酷いとしか言いようのない方法で施行され、さらにこのような場所が100箇所以上あったという…。
広島の原爆ドームもそうだけど、この様な負の遺産があると、2度とそうならないためにも、なぜそうなってしまったのか、そうしないためには、といったことをあらためて考えるきっかけになる。
午後はNetflix映画の「最初に父が殺された」を見る。これは前述のポル・ポト政権時のクメール・ルージュ(カンボジアの赤)時代に子供時代を過ごした実話をもとに作られた書籍の映画化で、当時のカンボジアの様子の再現が綺麗な映像で蘇り、映画としてストーリーが面白い、とかではないんだけど、当時の悲惨さが窺えた。
夜はカンボジア最後の夕飯なので、ちゃんとしたクメールレストランへ行ってロックラックかアモックを食べようとしてたのだけど、ちょうど今日の特別メニュー、カニカレーがあって、これは旨いのでは…と頼んだら蟹が二匹煮込まれたココナッツフレーバーカレーで、思った通りの美味しさ。久しぶりにライスを追加オーダーしてしまった。帰り道の屋台で、デザートがわりに焼きバナナ(小さいバナナが四本で0.25$)を。初焼きバナナだったのだけど、周りの皮はサクサクして面白い食感。中の実はねっとりとした甘さで美味しい。