プンタ・アレーナスの病院での診察・南米21日目 / 2023年2月20日
ここ最近、徐々に妻の咳と鼻詰まりがひどくなってきて、普段からよっぽど痛くないと「痛い」と言わない妻が、昨晩から胸もしくは肺らへんの継続的な痛みを訴え始めた(ので、よほど痛かったのであろう)。考えられるのは、咳のしすぎで痛めてしまった、気胸になってしまった等々。とりわけ恐ろしいのが気胸で、気胸になってしまうと飛行機に乗れない。もしも気胸でフライトすると大変なことになり、そのため海外旅行中に気胸になってしまうと日本で治したくとも帰国もままならなくなってしまう。
そんな痛みの状況が一夜明けても良くならなさそうだったので、この日は本来の旅程ではチリの首都サンディアゴへのフライトだったが、もし気胸だったらシャレにならないのでフライトを取りやめ、医療機関が整った病院がいくつかある州都のプンタ・アレーナスへバスで移動する。動かず安静にしていたら痛みは殆どないが、動いたり咳が出るとやたらと痛い、バス移動はできそうとのことであった。プエルト・ナタレスからプンタ・アレーナスは3時間ちょっとの道のり。だいたい荒野の道をひた走る。
宿にチェックインした後、Clínica RedSalud Magallanesという私立病院へUberで向かう。Hospital Clinico "Dr. Lautaro Navarro Avaria"という公立病院もあるのだけど、チリは国民の医療費負担ゼロ政策で公立病院は混んでそうだったこと、Clínica RedSalud MagallanesはWebからの予約受付が可能だったことから、私立病院を選ぶ。なお豆知識だがチリではClínicaは私立病院、Hospitalは公立病院らしい。最初どこが公立病院でどこが私立病院か、Webサイトを見ても全く解らなかったのだけど、名詞だけでわかるのね…。
病院では呼吸器科の先生に妻が書いた症状や診て欲しい項目メモを見せると、早速診察をしてくれる。先生(スペイン語)も私達も英会話が得意でないので、先生のPC上のWebブラウザーでGoogle翻訳にかけながら、症状や質問に答えてくれる。気胸の可能性はほとんどないとのことで、咳のし過ぎで痛めてしまったであろうことや、鼻の炎症等々の症状について教えてもらい、どうやら気胸ではなさそうと一安心。また我々の海外旅行中を考慮してくれ、通常なら日を空けて最新のところ、明日に痛みの原因であろう咽喉耳鼻科の先生の診察や念の為レントゲンを撮ると良いと予約していただく。
医者の先生なのに処方箋も一つ一つ翻訳にかけながら教えてくれ、また鼻薬など使い方の理解が必要なものは、YouTubeで製薬会社が作ったであろう解説動画をWebブラウザーで流して利用方法を説明してくれ大変ありがたかった。ブラウザのタブにちらっとYouTubeが見えた時は、先生も息抜きにYT見るよねぇと思ったのだけど、患者に説明するために開いていたとは…。
というわけで、公立に比べ医療費は高額だと思うが、当日にWeb予約ができ、また先生も終始にこやかに意思疎通を測ってくれながらの診断等々、とても満足度が高かった私立病院Clínica RedSalud Magallanes、我々はかかって良かったので、パタゴニア地方で病院に行くことになった場合良いかもしれない。
診察が終わり、受付のスペイン語で意思疎通ができずまごついていると親切通りかかりの方が英語で通訳をしてくれたり、処方箋で受け取る薬局ではおじいちゃん店員がこれまた親切に処方箋を教えてくれたり、Booking.comで予約して当日キャンセル不可の宿に理由を説明していけなくなる旨を伝えると全額返金してくれたりと、いろいろな人の親切を感じる日であった。
夜は疲れて外食はせず、スーパーで買った果物やカップラーメン。