A Day in the Life

世界一周の旅へ

今日から、一年〜二年ほどかけて、世界一周へと旅立つ。先月末で会社は退任し、部屋も引き払った。

先日38歳になった。人生の折り返し付近のこれぐらいの歳になると、周りでも健常でなくなったり、不幸にあったりする方が徐々に増えてきて、今は健康でも、これから先はどうなるかは分からないと感じる。今までの自分の人生では「これは絶対に死ぬまでにやりたい」という物が無かったのだけど、一年ぐらい前からもっと世界を知りたい強い思いが芽生えてきて、なら健常な今の内にと、世界中をみて回る長期の旅行に旅立つことに決めた。

何故、世界一周に興味を持ったか

世界各国がどのようなのか、ここ十年ぐらいでどんどん気になり出した。きっかけは、初めて行った海外アメリカだった。

当時を振り返ると、25歳の時に勤めていたはてな社で「放浪研修」という、広い視点を持つために、内向的な社員を一人で海外に一ヶ月ほど行かせる研修があり、当時とても内向的であった自分は、出来る限り海外などには行きたくないと思っていたため、ズバリ該当していく事になった。2007年に行きはニューオリンズ着、一ヶ月後の帰りはニューヨーク発のチケットだけ手配され、飛行機に乗った私は、ハリケーンのカトリーナが猛威を振るった後のニューオリンズに降り立ち、ちょっと道を進むと誰も住んでいないような、破壊された街並みを見つつ、どう行動すれば良いのだ…途方にくれたものだった。

深夜に降り立った空港からなんとか乗ったタクシーは、乗ったら後ろのドアは内側から開けれない仕組みになっていて、白タクなんじゃないか、どこか知らないところに連れて行かれるんじゃないか…と ビクビクしながらホテルに無事たどり着き、ドキドキしながら適正価格がわからないチップを払い、真っ暗でどこにホテルがあるのかよくわからなくて困っている中、タクシードライバーにクラクションを鳴らされ「ヒー何かやってしまったのか…」と恐る恐るタクシーを見ると、指差しながら「あのホテルだよ!」と教えてくれた海外初夜が今でも脳裏に焼き付いている。

(当時宿泊したニューオリンズのホテル前。ここで深夜に降りたため超怖かった思い出…)

英語も中学生レベルで、当初恐怖しか無かったが、誰でもフレンドリーに話すアメリカでは、片言の文法・発音がめちゃくちゃな英語でも、英語がプライマリーな言語でない人が数多くいるからか、大抵は優しくコミニュケーションをとってくれた。長距離鉄道のアムトラックで徐々にニューヨークに向かい、途中ガタイの良いニーチャンにワシントンDCでカジュアルなカツアゲ(被害額は1ドル)にあったりはしたものの、ほぼ無事に帰ってこれたのは、コミニュケーションを取る意思さえあれば言語の壁は乗り越えられる、適当な英語でも大丈夫(もちろんビジネスレベルでのディスカッションとなると話はまったく別だが…)という経験を得ることができた。

その後の海外はアメリカには出張で十数回、中国(本土・香港・台湾)、インドネシア、シンガポール、マレーシア、フィンランド、ラトビア、リトアニア、エストニアぐらいと、それほど多くはない。ただ、どの国も行くと今までに得たことのない体験や視点を得られた。

最初のアメリカから十年以上経ち、最近直近の一年は、前職の中国子会社の代表をしていたこともあって、トータル四ヶ月ほど中国で生活し、将来的にはアメリカを追い抜く可能性を感じる熱気溢れた成長ぶり、特にITというコンテキストでは、これだけインターネット人口が多い国は無く、またグレートファイヤーウォールの内側という本来国境の垣根がないはずのインターネットに、ネットワーク規制という形である意味国境を引いている特殊な状態や、日本と人口が1桁違い、かつ地方の労働人口が都市部に集中したことによって一部の労働単価が都市部でも低い特殊な状態による、中所得者以上のユーザにとっては便利なサービス提供、AliPay大手インターネット企業が金融業を2000年初期から行ってきたことによるモバイルペイメントの変革、一般ユーザのデータ保護の重視よりデータを徹底活用した利便性の向上、等々、それ以外にも様々なものが自分の物差しと違いすぎて非常に興味深かった。

他にも、シンガポールの開発独裁政権による資源をほとんど持たない小国ならではの進化方法や都市モデルだったり、ジャカルタの交通渋滞や山ほど溢れる若者が昼間からカードゲームをして平日から時間を潰し若い活力の矛先がどこに向かうのか燻っているような雰囲気、北欧でのQRコードではないクレジットカード主体でのキャッシュレスや公共交通機関を国が持っているから実行できるであろうMaaSの様々な交通機関の一体化等々、他国に行くと、面白い体験・経験を得ることができた。

(世界遺産・リトアニア シャウレイの十字架の丘)

もちろん、純粋に旅行という視点でも、自然しかり、世界遺産然り、都市然り、食べ物しかり、知らないものを見て感じる事が楽しかった。

そんな感じで世界各国に徐々に行くにつれ、まだ見たことがない国、地域に行ってみたい思いが強くなってきた。インド・中東・中央アジア・西ヨーロッパ・アフリカ・中米・南米等々、まだまだ行ったことのない地域や国は沢山あって、世界には日本のパスポートでビザ無し、もしくはアライバルビザで行ける国は約150あると言われており、せっかくそんなパスポートも持っているのだし、もっと様々な所へ行ってみたいという思いが湧いてきた。

いつ旅に出るか

ただ、興味を持っても、なかなか色々な国に行くのは難しい。仕事中に数日〜1週間程度の休暇を取って海外旅行に行くこともできるが、いっそ長い時間を作っての長期の世界旅行ができるのかと考えてみると、やろうと思えば実現可能で、ならあとは実行するかどうか。仕事では自分以上に活躍してくれるであろう優秀な仲間が入ってくれたし、プライベートでは結婚したこともあり、子供を連れての世界長期旅行は断然難しくなるため、将来の家族プランを考えると今のタイミングがベストだし、身体がいつまで健全かはわからないため、なら今だよねと妻と二人旅立つ決断をした。人生は一度きりなので、やりたいときにやりたいことをやろうと。

なお世界旅行の話をした際に、仕事も一緒に辞めて、世界一周旅行へと行く決断をしてくれた妻には大変感謝している。

今日から旅へ

今日から、まずはシンガポールへ行き、旅がスタートする。予定では一年〜二年ほどだが、ざっくりとこの季節はこの地域にいよう、ぐらいを決めたぐらいで、まだまだ予定は未定。思ったより短い旅になるかもしれないし、二年以上で旅を続けるかもしれない。なお、当初は何かない限りは一時帰国する予定はなかったのだが、先月今まで一度も大きな病気をしたことがない妻が突然の入院になり、今は退院したものの、定期的な経過観察をしたほうが良いため、経過観察タイミングで一時帰国予定(そのため、正確な意味では世界一周の定義からは外れそうだけど)となった。改めて健常であることのありがたさを感じたりもした。

そんな感じである程度長い時間をかけて、世界各国を見てくる予定である。旅行中の数日から数週間の地域滞在では、偏った視点になるとは思うが、それでも様々な事を考え、体験し、また純粋に旅行としての楽しさも感じられたら、と思っている。

なお、このブログは世界中での日々を記録するため引き続き続ける予定。もうちょっとちゃんとした粒度でまとめたり、他の人の参考になるかもしれない話は、note の「世界ぶらり街歩きUX紀行」に書く予定なので、興味がある方はよければそちらもどうぞ。

[note.mu](https://note.mu/hotchpotch/m/mf65fb2ac137d)