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Jupiter-9 のアンダーインフを直す

先日 ebay から 120$ で購入した、ライカL39マウント版Jupiter-9 (1980年製・LZOS工場) が絞り開放時、アンダーインフとなり無限遠がでなくて困っていた。F5.6ぐらいまで絞ると、無限域にピントが合う。今使っている a7C + ライカMマウントアダプター + MLリングの他のL39マウントレンズとの組み合わせではすべて微妙にオーバーインフ気味で、オーバーインフはそんなには困らないので良いのだけど、アンダーインフは無限遠にならないために困る。

アンダーインフを直すには、イメージセンサーとレンズの距離を縮めることができれば良いので、どうにかならないかなーと Jupiter-9 をバラしてみる。構造は、LZOS (リトカリノ光学硝子工場) JUPITER−9 85mm/f2 black《前期型》(L39)に詳しく書いてある(ありがたい)ので、これを参考に。

ばらしていくと、前部と後部の間に0.1-0.3mmぐらい(目測)のアルミのリングがはさまっている。製造工程でのフランジバックのばらつきを、薄いアルミのリングを入れることで個体ごとに調整していたのだろう、たぶん。というわけでこのリングを取っ払ってイメージセンサーとレンズの距離を縮め確認すると、無限遠にピントを合わせることができるようになった、やった!

しかしながら、前部と後部のねじ込み時の位置が変わってしまったため、絞り指数が書いてある箇所がレンズの下になってしまうようになったため、前部をある程度ばらして、絞り環の位置を調整する。赤丸ポチはレンズ下のママだけど、絞り環の指数は上に来て見えるようになったので良しとしよう。

途中、小型のイモネジを机から落としてしまい、探したけど見つからず、無くなってしまったどうしよう、とうろたえていたら、妻が椅子の上に落ちていたのを見つけてくれてことなきことを得る。レンズ各所で使われているイモネジは1mm-2mm前後と小さく、0.9mmの精密ドライバーを初めて使った。

なお今回はアルミリングを取っ払うことでアンダーインフを解消したけど、これが他に悪影響を与えるかはわからないし、本当は後部をばらして微調整するとうまくいくのかもしれないが、それはやってないのでわからず。

またこのレンズが手元に届いてからいまさら気づいたこととしては、ニコイチ品だったこと、アンダーインフだったこと、絞り羽根に油が結構ついていた(ほって置くと油が固まって、絞りに不具合が出る)。それ以外は、レンズもそれほど古くなかったためか良好な状態だった。

ニコイチ品とはもともと1つのレンズではなく、別の個体を組み合わせて作られた品。前部は海外輸出用(表記がJupiterと英語)、後部は海外輸出用ではない(made in U.S.S.R が書いてない)ことから解るようだ。


Jupiter-9 は M42 マウントと Zenit M39 マウント版もあり、とりわけ Zenit M39版はL39とスクリュー経が同じでL39に取り付けることができるらしいのだけど、フランジバックの距離がL39とは全く異なるため、L39レンズとして使おうとするとまともにつかえない。ということを知らずに、運良くL39版を買った(M39が安く売っていたらそっちを購入してそうだった)ので良かった。

撮影機材E-M1 Mark III/Jupiter-9 85mm F2/OLYMPUS M.60mm F2.8 Macro
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